生き続ける伝説 カレラ 文・渋谷 ヤスヒト
Written on 05/10/2016 By admindd in 時計相場
「カレラ」と聞くとクルマが大好きだった少年時代と、当時憧れていたポルシェの伝説的なスポーツカー、911カレラのことを思い出す。
現代のポルシェではこの「カレラ」に特別な意味はないが、そもそもはこの名称は、ポルシェの中でも大排気量のエンジンを搭載した高性能モデルの記号として付けられた名前だった。だから1970年代のクルマ好きの子どもにとって、カレラという名前には特別な輝きがある。自分自身、タグ・ホイヤー「カレラ」の存在を初めて知ったときには、興味をかきたてられずにはいられなかった。
クルマの場合も腕時計の場合も、この「カレラ」というネーミングは、ある伝説的なレースに由来する。メキシコ政府の主催で1950年から1954年の間だけ行われた公道レース「カレラ・パメリカーナ・メヒコ」である。
この時代には私はこの世にいなかったので、あくまでモータースポーツ関連の本などから推測で語ることしかできない。だがこのレースは伝説になるのがもっともな、とてつもなく過酷で危険でドラマティックなものだったようだ。